【革製品の街イタリア・フィレンツェ】日本人が革職人になれるのか?

イタリアンレザーというと聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか?

その中でも特に有名な革の産地がフィレンツェです。フィレンツェは昔から革のなめし、いわゆるタンナーが栄えた歴史があり、革製品の製造がとても有名な街です。

そんな本場のイタリア・フィレンツェで革職人になりたい!挑戦してみたい!という方もいるかと思います。

僕は昔、袋物関係(鞄の製造等)の仕事をしていたため非常に興味があり、直接お話を聞きに行ったことがあります。

そこで実際に見聞きした事を具体的に紹介し、果たして日本人がイタリア・フィレンツェで革職人になることは可能なのか?という点をご説明します。

※今回鞄や財布などの袋物にフォーカスしていますが、靴や服にも通ずる部分はあります。

 

イタリア・フィレンツェで日本人が革職人になれるのか?

まず結論ですが、日本人がイタリアで革職人になることは容易ではないですが可能です。

順に解説していきます。

 

  • そもそもイタリアで外国人が働くには

 

 そもそもイタリアで外国人が働くには

  • ビザが必要
  • 滞在許可証が必要

 

ビザが必要

ビザの種類は4種類あります。

  • 就労ビザ
  • 就学ビザ
  • 配偶者ビザ
  • 家族ビザ

家族や、配偶者がいない方なら就学ビザ就労ビザが必要になります。就労ビザは現地で就職が決まっている場合に発行されます。

逆にいうと、ノービザの外国人をイタリアでは100%雇用してくれません。

基本的に就労ビザを取得できないのであれば、就学ビザを取得し、何らかの形で学校に属する必要があります。

※観光目的であれば90日まではノービザで滞在できます。

 

滞在許可証が必要

イタリアで長期滞在するのに必要な物はビザだけではありません。

滞在許可証の取得に関しては詳しくまとめている、世界中ライフ様のサイトをご参考下さい。

 

イタリア・フィレンツェで日本人が革職人になる方法

方法を解説します。

  • 学校へ通う
  • 飛び込みで修業する
  • 熟練の職人さんであれば就労も可能

 

 学校へ通う

正攻法にして王道のパターンです。何のツテもなく、就職が不可能な方ならまずこの方法をおすすめします。

というのも結局現地に長期滞在をしようとすればビザが必ず必要になってきます。

就職できないのであれば語学だけの学校も含め、何かしらの学校へ通わなければなりません。

そこで選択肢は2つあります。

 

日本の学校へ通いイタリアで就職を目指す

これが一番王道のルートです。

文化服装学院などの専門学校であればバッグやシューズにも専門の科があり、基礎から学ぶことが出来ます。

こういった専門学校であれば国際イベントや留学のサポートもあり、そういった部分でもイタリアと触れ合う機会はあります。

そして一番のメリットは「潰し」が効くことです。晴れて学校を卒業し、イタリアに就職した!けれどなんか違う…。ということも起こりえるかもしれません。

そういった時に日本の専門学校であればある程度基礎からキチンと学んでいるため、再就職という点ではそう難しいことではありません。

 

現地の学校へ通う

イタリアのポリモーダ校はフィレンツェにあり、世界的にも有名な専門学校です。

様々なコースもあり、レザーの分野も本場の授業を受けることが出来るでしょう。

デメリットは学費などの費用です。年間授業料だけで120~150万円前後かかりますし、生活費などもろもろを考えると…少しべらぼうなお値段かもしれません。

学費を節約したいという方にはサンタクローチェ大聖堂奥にあるScuola di cuoio Firenze(皮革職人専門職人訓練学校)なんかもおすすめです。

最長6ヵ月コースで100~120万円程の学費がかかりますが、イタリア語も含めて学ぶことができます。

日本人の方で実際にここの生徒さんで、卒業後講師になった方もいらっしゃいます。

 

 飛び込みで修業する

うだうだ学校なんて通ってらんねぇ!という方もいると思います。叩き上げパターンですね。

これは非常にハードルが高い方法ではありますが、可能性は0ではないと思います。

方法としては語学学校などに入学し学生ビザを取得します。

学生ビザであれば1週間で20時間以内の労働は許可されます。

それを利用してアルバイト、もしくはインターンで働ける工房を片っ端から当たっていくというものです。

普通に語学を勉強しながら工房を探すという方もいれば完全にビザのためだけにお金を払いほとんど学校には行かない人もいると聞きました。

一週間に20時間という点は警察の抜き打ちチェックがたまにあり、もしそれをオーバーしていれば強制送還後、5年間はイタリアに渡航できなくなるという非常に厳しい罰があります。

非常にグレーではありますが、イタリアはまだ袖の下文化が多少残っていてお金で解決できる部分があり、工房の親方にお願いをして抜き打ちチェックが来た時に親方が合図してくれて、裏口から逃げていた…なんていう話も、とある方から聞きました。

ですがこれはあくまでも自己責任であり、人にお勧めできる方法ではありません。一例としてご紹介したまでで、やはり正規の手段を取るべきです。

 

こちらはグッと!地球便というTV番組で未経験から単身ローマへ渡り靴職人になった方の回があります。

何のつても情報も無く、最初は苦労の連続だった。

とにかく直接工房を訪ねて回り、熱い思いだけを支えに一軒一軒しらみつぶしにすること7カ月。

貯金も底をつきかけた所、遂に受け入れてくれる人に出会い弟子入りをする。

やはりこのような熱意をもって行動することが一番重要で、この方は60~70軒は回ったと言っていました。

この方法で働き口を見つけるにはという部分も加わってきますが、熱い気持ちがあるならトライする価値は十分あります。

 

 熟練の職人さんの場合

イタリアでは失業率が社会問題化しており、国民の約10%、若者の失業率は約40%となっています。

レザーの業界では、現地の職人が是非ほしい!と認められる程の腕があれば就職し、就労ビザを発行してもらえるようですが、そういったビザの手続きなどの面倒な事をイタリア人は嫌う傾向があり、そこでも「で、いくら払えるの??」というようなことは珍しくないようです。

熟練の職人さんでもイタリアで働く事は容易ではありませんが、交渉すること自体は難しいことではなく、条件面も考慮してもらえるでしょう。

 

まとめ

  • イタリアで革職人になることは容易ではないが可能
  • 長期渡航、就労にはビザが必ず必要
  • 学校へ通うのがベター
  • 飛び込みも0%ではない
  • 袖の下文化がまだ多少ある

「イタリアの革職人」というとある種、憧れみたいなものがありますが決してなれないものではありません。

フィレンツェにて数名の方にお話を伺いましたが、大変さを口にしながらも、それを上回る喜びや、イタリアの文化や風土が好きだと言っていました。そして好きな事をして生きていける事に充実感もすごくあると。

困難が多く容易ではないですが、まずは熱意をもってトライしてみることが重要だと思います。

ノービザでも90日間は滞在することが可能なので、一度観光で情報を集めても良いかもしれません。

何にせよ行動しないで後悔するより、行動して後悔(失敗)した方が良いです。それすらもあなたにとっては絶対に無駄になりません。

コメント